2010年3月6日土曜日

「地盤」と「エコ住宅」

以前にも書きこんだように、一般住宅向け地盤改良工事の主たる目的は、建物の不同沈下を防止する為に行われます。ですから「地盤」の観点から「エコ住宅」を考えるならば、「良好地盤」であれば経済的にも「エコ住宅」となりえます。ですからこれから土地探しをされる場合、「良好地盤」も購入要件に加えて頂ければ、結果として「エコ住宅」になると思います。しかし「良好地盤の定義」は色々な要件がありますので一概には言えませんが、「住宅地盤向の保証制度」では建設予定地の地盤の締り具合(硬さ)を簡易な調査方法から算出し、工事を行う必要の無い「良好地盤と判定した場合は保証を付与する」保証制度を取り扱う機関もあります。しかし地盤保証制度は「地震」には適用されません。小生は地震被災地における建物被害の判定業務ほか、復旧作業にもかなり従事して参りましたが、結論から言いますと公的機関のお助け制度は、杓子定規で使い勝手はかなり良くなったものの、まだまだ大変難儀な書類作成作業が山ほどあるのが現実です。ですからとても一人ではできませんし、建築業者でも対応が大変です。又、民間の地震保険でも対応が早い会社、遅い会社がありましたので、経験者からのアドバイスが保険機関の選定では鍵になると思います。これからブログ上に「本題」について色々書きこみたいと思いますが、本日の結論 「良好地盤」は「エコ住宅」のポイントとなる。

2010年1月14日木曜日

明けましておめでとうございます

今年もよろしくお願い申し上げます。一昔前までの新潟の冬は厳寒の中に鉛色と白銀色が絶妙に大河の川面に映える景色でしたが、近年は降雪量の減少と温暖化がそんな風情をも追いやったようにも感じます。昨年の後半から、新潟市中心街と言われる古町の一連の衰退記事に戸惑いも隠せませんが、今年の干支は百獣の王「虎」年に大いにあやかりたいものです。当業界では二極分化もかなり進みそうですし、建設業界の賀詞交歓会に参加した感想も縮小均衡、異業種参入・転業が避けられないようです。但し残念なのは技術屋の廃業・転業が最近目立つようになったことです。技術職はその頑固なまでの技術力で時代の底辺を支えています。過去も現在も大切ですが、未来が最も大切です。そんな気持ちで今年も臨みます。

2009年12月28日月曜日

今年も大変お世話になりました。

約二カ月近く仕事に追われブログの更新を怠りました。今年は例年になく静かな幕開けが、そのまま七月頃迄続く異様さは、「正に平成の大不況に突入する」の感有りでした。そんな世相に呼応するかのように親戚・知人・親友との別れが多い年でもありました。改めて「時代の変化」を肌身に感じた一年でもあったように思います。「コンクリートから人へ」と新政権は舵をきりました。そんな中で弊社のもつ技術力がどこまで対応出来るか・・・?いよいよ来年から本格的に試されそうです。
一年間本当にお世話になりました。又、多くの読者からの質問・疑問に十分満足な解答が出来なかったようにも思いますが、来年もよろしくお願い申し上げます。

2009年11月7日土曜日

アルファフォースパイル工法

弊社が本工法を採用した理由は、1、SS試験換算N値を採用できる。2、換算N値=4以上から採用できる。3、先端翼の形状が最も粘性土地盤に適している。と判断したからです。小口径鋼管杭を一般住宅の地盤改良用にも適用するようになって14?5年程経ちますが、支持力算定の場合に杭周辺地盤の摩擦力も加味した設計手法が以前は散見されました。しかし近年は先端支持力のみで検討する手法が大半です。しかし小生は使用する先端翼の形状と先端地盤の土質によっては、摩擦力の検討を加味する事も可とする設計手法を採用しております。先端翼が突起した形状翼は、砂質土には適当です(引き抜きの検討は別途)が、粘性土地盤には地盤を乱しやすく不適当と考えます。新潟県下の軟弱地盤向鋼管杭は、本工法が紹介されるまで適当な鋼管杭はありませんでした。小生も第三者認定杭を含め、数種の鋼管杭を取り扱ってきましたが、近年の施工管理はトルク管理が主体です。よって施工機械の能力とトルク管理とss調査データを加味した整合がとれる翼の形状は、特に粘性土地盤には、本工法が最適であると判断しております。弊社はss試験から見解を記述するに当たり、近隣データ・ボーリングデータと現場地形履歴を参考にして記載しますが、残念ながらサンプリング調査を行っても中々正確なデータは採取できません。よって摩擦を考慮した検討はかなり慎重に行いますが、住宅地盤の場合は盛土部の観察判断を間違わなければ、特に問題はないようです。
近年登録されている第三者認定杭では殆ど粘性土・砂質土とも認定取得されています。小生は土質による先端形状の種別が必要であると思いますが、ある意味この種の認定機関も、いい加減なのかもしれません・・・。
住宅地盤補強対策で鋼管杭を採用する場合は、土質の判定が大変重要です。最近はサンプリング調査も並行して実施する調査会社が増えてきましたが、調査員の資質とサンプリング方法加えて調査費用の適正の諸問題が提示され始めています。
我々業者側も研鑽を積みつつも、ユニクロ現象化とも言える現下の経済状況でも、技術者としての立ち位置を見失いたくないものです。

2009年11月2日月曜日

フォンサム工法の考え方

先日、大型店舗の地盤改良工法で「フォンサム工法」を採用して頂いた。その建設会社の現場代理人は本工法についての知識は無かったし、「地盤が悪ければ、セメントで土を硬くすれば良し」と従来からの知見と経験のみで小生の説明を聞いておられた為、理解度は皆無に近かったようで、「本音はバカにしていました。」との後日談。
小生の住宅地盤に対する考え方は、「建物は剛構造・地盤は柔構造が基本」から特に盛土造成された土の締め固めが十分であれば、不同沈下は殆ど発生しません。しかし基礎工事・浄化槽敷設工事・L型擁壁設置工事・外構工事に伴う土工事が不同沈下を誘発する場合がよくあります。不同沈下が発生した場合、まず嫌疑を賭けられる業種は地盤改良です。小生は改良工事の工法説明時に、懸念される問題については説明を求め、基礎・浄化槽・L型設置工事時には出来るだけ立会をします。
それは自己防衛でもあり、施工責任上当然との考え方からです。
過去のブログでも書きましたが、地盤改良工事は工事終了日から時間を掛けて成果確認作業が始まる工事です。
さて、小生は盛土造成時の材料と締め固め不足に問題があるように思います。しかし土地代をできるだけ廉価に提供したい開発業者の視点に立てば、過度な負の問題を惹起する意図はありません。
地盤改良の検討は、調査資料から基本的に改良方法の検討・施工機械の搬入方法等と上載荷重の算定が主業務です。又地盤改良の目的は建物の不同沈下を防止する事です。地震時の挙動が住宅地盤に影響するメカニズムの解明は、複雑で極めて困難です。よって自然土で密度の高い地盤こそ、あらゆる応力にも柔軟に対応できる基本構造であると考えます。地盤改良の国内の起源は法隆寺の盤築工法と言われています。改めて「先人の教えを真摯に学ぶ」事こそ必要であると思います。

2009年8月22日土曜日

地盤調査

戸建て住宅の地盤調査方法には「スウエーデン式サウンディング試験」が多く採用されています。先日ある工務店主からその理由を問われました。弊社も本試験機を保有しておりますし、機械・データの長・短所を熟知しておりますので、その辺も交えてお話ししました。本調査方法が国内で普及した理由1、本調査用機械の開発が比較的早かった 
2、地盤調査が必須項目になり専業者が増加することで、調査機が増産され価格が廉価になった
3、調査員は「経験・国家資格が必要なし」から誰でも参入できる業界であった
4、調査費用が上記の状況から安価になった
そもそも「地盤調査」とは一昔前まではかなりの経験と知識を伴う「技術屋」であったが、現下の調査員は残念ながら「にわか・・・」と言わざるを得ない面々が多いのも事実です。最近は「瑕疵保証制度の施行」から、地盤調査員に試験を実施し資格を与え組織化した「OOOO協会」の会員も増加していますが、必ず調査現場に立ち会って機材を観て(道具の手入れ具合、先端スクリューポイント等)、話しを聞き、提出された調査報告書の「考察」・「見解」欄の記載内容から概ね判断できます。
さて、本工法の問題点を列記します。
1、土質区分が粘土・砂質土の二種類しか分類できない
2、その土質区分も調査員の判断に委ねられる
3、水位が特定できない
4、ロッドが周辺地盤の摩擦抵抗を受け、深くなると値が大きくなり特に表層部が硬いと下部は軟弱で   
  も良質地盤に誤差判定され易い
5、地盤の評価がWswとNswの二種類で不連続になる
等が挙げられます。
最近は土の「サンプル採取」を実施し、特に「腐植土判定」に役立てる調査も併用されつつありますが、残念ながら器具の開発が途中ですので、砂質土が挟む地盤ではサンプリングは出来ません。もう少し時間がかかりそうです。
前にも書きこみましたが、現在は地盤調査費用があまりにも低く設定されていますので、調査専業だけでは経営は成り立ちません。よって我々もこの点のご理解を賜る努力も併せて必要な時代に入ったように思います。
建物を設計する上で、まず地盤の資料ありきです。設計者は良好地盤を前提に構造計算をします。
改めて地盤調査は重要な仕事です。

2009年7月20日月曜日

適正価格の算定

最近、地盤改良工事方法についてお問い合わせを頂くことがあります。弊社のお取り先のお客様ではありませんので、地盤調査資料や建物の詳細図面がありません。先日頂いた質問内容は「工事費用」と「施工方法」ですが、ずばり「施工方法が適正か?工事価格が適正価格か?判断をして欲しい」との事。施工方法はブログでも以前書きましたが、「建物の瑕疵保証制度」の取扱いから地盤保証もセットに担保する施工店の場合は、保証会社の保証対象工法に限定される為、工法自体は「セメント系の材料を使用する工法」や「鋼管杭を使用する工法」 又、一部の保証会社で認められた「砕石を使用する工法」や「石灰を使用する工法」等・・・がありますので、「ご自分が契約していた施工店が取り扱っている保証会社の取扱い工法をきちんと説明を受けて下さい」と回答させて頂きました。工事価格については「弊社ではとてもご提示できる価格ではありません・・・」
当業界の価格はここ最近は下落方向にあって下限価格が一体どこなのか判断がつきません。地盤改良工事は工事終了時から少なくとも2?3年を経て、ようやく品質の成果確認ができる仕事です。ですから現場が終われば終了ではありません。「安くて保証が付けば何でも良い・・・」 そんな現在の風潮では「適正価格の算定」は困難かもしれません。現下の状況が将来に禍根を残さなければ良いのですが・・・?「地盤」を相手にした工法の選択と設計はけっして「容易い技術力ではない」と考えますが・・・。